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ヒルトン東京との提携

それを充たさない限り顧客の満足は満たされない・そのような期待が消えたとき、ブランドカも喪失するはずである。
I氏が、Sの顧客満足度を一般企業のレベルで十分と考えていたら、これほど楽天的な思い込神話企業の難しさは、顧客満足の性格が他の大企業とはまったく違うことにある。 松下や東芝の顧客なら「スゴ録」のような商品に、万全の品質が備わっていれば満足するが、Sの顧客はそうではなここには顧客満足という視点が欠如している。
I氏が言うように、S商品を支持する消費者がいればこそ、5兆円の売上は可能となった。 しかし、I氏は、今のS商品の購入者に、どの程度の顧客満足を与えているといえるのだろうか。
SのDVDレコーダーが欲しくて「スゴ録」を購入した客は少なくないだろう。 しかし彼らが本当に欲しかったのは、かつてのような斬新さと独自性にあふれたSのDVDではなかったのだろうしかし、今日見る限り、Hの方がSより、顧客の満足を満たすには独自性が重要だということに気づいているようだ。
Hは、戦後生まれの企業として最初に1兆円の売上を達成したように、良い意味でも悪い意味でもSより一歩先んじている。 深刻な経営危機に陥ったのも、創業者が第一線を退いたのも、Hの方が早かった。

そして今日、Sが苦しんでいる神話企業病とも言うべき病状も、既にHは経験済みである。 その意味で、Hを先行例として、今日のSの病状を解析することも可能であろう。
しかし、同種の病とはいえ、それぞれの体質と照らし合わさなければその本質を見ることはできない。 そのためには、両社の生い立ちから醸成された企業風土の差異を知る必要がある。
このような錯覚こそ、神話企業経営者の病そのものである。 Hも、世界的な業績好調の中で日本市場だけは不振である。
いかに北米市場が好調で今後は中国市場の急成長が見込めるとしても、日本における顧客満足の後退は、将来の業績への暗い先行指標に創業者の不敗伝説大成功した企業が「神話企業」と呼ばれる場合、創業者の神格化が伴う。 失敗のない、あったとしても劇的なリベンジを果たす「不敗の経営者」伝説が必要である。
多くの創業者は、その卓抜した才覚によって起業し、一躍名をはせる。 しかし、また、その成功体験によって失脚することが常である。
長期間、経営者として君臨しているうちに、企業を取り巻く環境が変化することは避けられない。 創業者の強い成功体験は、やがて確信に変わり、時代の変化も消費者の価値観の変化も目に入らなくなる。

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